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2016年の開演

新年明けましておめでとうございます。

年越しをパリの自宅でまったりと過ごす時に必ず見るテレビ番組があります。それは、「Le plus grand cabaret du monde(世界で最も素晴らしいキャバレー)」という、世界中の一流パフォーマーのショーが盛りだくさんに見られる番組。私的には、フランスにおけるNHK紅白歌合戦だと思っております。
思えば、2007年に偶然、神宮外苑の銀杏まつりでパフォーマーのロボットのぞみさんと出会ったことが、スペクタクルという非常にストイックで奥深い世界への興味を開眼させてくれました。
そして、こちらの動画は、マジック界の異端児との異名をとるフランス人のヤン・フリッシュさんが、2012年にこの番組に出演した時のもの。実際、今までに一度だけ、彼の演技を生で見られる機会があったのですが、ジャグリングとマジックと笑いの要素が絶妙に絡み合ったショーがとてもみずみずしくて、いっぺんでファンになりました。

2016年はみなさまにとって、どんな素晴らしい人生のスペクタクルを見せてくれるのでしょうか。
驚きと笑いに満ちた一年となりますように☆


# by DegorgeRie | 2016-01-03 09:07

自由の叫び方

フランスの小学校には、詩を習う時間がある。
数日前に子どもがもらってきた新しい詩は、テロの後を意識してなのか、アルジェリアの作家であり詩人であるRachid Boudjedra(ラシッド・ブジェドラ)という人の書いた詩だった。
日本の子どもが学校で学ぶ詩は、自然や家族など身近なテーマが多いけれど、フランスで習う詩は社会的だったり、メランコリックだったりする大人っぽい詩が多いような気がする。
ヨーロッパの子どもは、小さい頃からこういう詩に触れたりしているから、精神的に大人になるのが早いのか、と思ったりもする。
複雑すぎるアルジェリアの歴史。私達の住んでいる地域は、フランス人の他に、北アフリカ系、アフリカ系、ユダヤ系などあらゆる国々の人が入り混じって暮らしている。もちろん私も移民の一人だ。植民地にされた国々の歴史とそこで暮らしてきた人達の気持ちに思いを馳せる。

Alphabétisation

À quoi servent mes poèmes
Si ma mère ne sait me lire ?
Ma mère a vingt ans
Elle ne veut plus souffrir
Ce soir elle viendra
Épeler mes lettres
Et demain elle saura
Écrire
Émancipation.

À quoi servent mes poèmes
Si mon père ne sait me lire ?
Mon père a cent ans
Il n’a pas vu la mer
Ce soir il viendra
Épeler mes lettres
Et demain il saura
Lire
Dignité.

À quoi servent mes poèmes
Si mon copain ne sait me lire ?
Mon copain n’a pas d’âge
Il a vécu dans les prisons
Ce soir il viendra
Épeler mes lettres
Et demain il saura
Crier
Liberté.

文盲教育

私の書いた詩など一体なんになると言うのだ
もし私の母がそれを読むことができなければ
母は20歳
もうこれ以上の辛抱には我慢がならない
今夜、彼女はやって来るだろう
私の手紙をやっとの思いで読むために
そして明日、彼女は習得するだろう
解放という字の書き方を

私の書いた詩など一体なんになると言うのだ
もし私の父がそれを読むことができなければ
父は100歳
海を見たことはない
今夜、彼はやって来るだろう
私の手紙をやっとの思いで読むために
そして明日、彼は習得するだろう
尊厳という字の書き方を

私の書いた詩など一体なんになると言うのだ
もし彼がそれを読むことができなければ
彼には年齢などない
檻の中で生きてきた
今夜、彼はやって来るだろう
私の手紙をやっとの思いで読むために
そして明日、彼は習得するだろう
自由という字の叫び方を

日本語訳 Rie MATSUMOTO
# by DegorgeRie | 2015-11-26 07:53

What A Wonderful World

私の愛すべき曲のひとつ、ルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」。
この曲には個人的に特別な思い入れがあります。

2005年6月。出産から3日後、退院の日は素晴らしい快晴でした。産院の扉から一歩外に足を踏み出した瞬間の例えようのない開放感。3日ぶりに見るお日様が、咲き乱れる花々や緑が、総天然色の映画のように一気に目の中に飛び込んできたことを思い出します。
迎えに来てくれた夫の車の後部座席に、しっかと赤ん坊を抱きかかえて座りながら、車窓を流れる美しいパリの景色や色とりどりの色彩を眺めていました。すると突然、「この素晴らしき世界」の美しいオーケストラが頭の中に大音量で流れ出し、それとともに涙が溢れ、今まで味わったことのない多幸感というものに包まれたのです。そんなことから、この曲は、子どもを授かった喜びとともに今でも私の心の大切な場所にあります。

1970年、ルイ・アームストロング、通称サッチモの70歳を祝って、彼のこれまでの業績の集大成として1枚のアルバムが収録されることになりました。その時に集まった大勢の後輩たちを前にして、サッチモは「この素晴らしき世界」のイントロで突然こんなスピーチを始めたのです。

君達若い連中の中にはオレにこう言ってくる者もいる
オヤジさん、"素晴らしき世界"ってどういう意味なんだい?
世界中で起こっている戦争も素晴らしいのかい?
飢餓や汚染はどこが素晴らしいんだい?

だけど、このオヤジの言うことも聞いてみないかい
オレには、世界はそんなに悪くない、と思えるんだ
オレが言いたいのはね 
世界は素晴らしくなる、そう思って行動すればってこと 

愛だよ、愛。それが秘訣さ
もっともっとオレ達が愛し合えば問題も減るし
世界はとびきりいいところになるんだ
それがこのオヤジのずっと言っていることなんだ

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木々は緑に輝き赤いバラは美しく どれも私たちのために 咲いている
そしてふと思う なんて世界は素晴らしいんだ

どこまでも青い空と真っ白な雲 光りあふれる日と聖なる夜
そしてふと思う なんて世界は素晴らしいんだ

七色の虹は美しく輝き 行きかう人々の顔も輝いている
友だちが手を取り合い 挨拶をかわし 「愛してる」と言っている

赤ん坊は泣き やがて育っていく きっとたくさんの事を学びながら
そしてふと思う なんて世界は素晴らしいんだ

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悲しい事、辛い事が起こる世の中であっても、明るい未来を信じていきたい。
今生きていられていることのありがたさを思い、家族とともにあたたかい食卓が囲める普通のことが、一番の幸せだということを噛みしめよう。
そして私に与えられた生をできる限り全うしよう。



# by DegorgeRie | 2015-11-18 19:18

たまのさんの靴 <KUMIHIMO>

たまのさんの靴 <KUMIHIMO>_c0085370_8383136.jpg


日本から帰ってきて、お友達のたまのさんの靴屋さん「Tamano Paris」に行ったら、注文していたサンダルができあがっていました。
人生初のオーダーメイドの靴。
そして、わー!やっぱり注文してよかったー!!と思いました。
個性があるのに、かといって変に靴だけが目立ちすぎず、シンプルな服を引き立ててくれ、そして何より大切な履き心地もとても気持ちいいのです。
この靴は、日本の伝統技術、組紐をサンダルのデザインに取り入れたものですが、他にもいろいろなデザインや色があって、あれこれ注文したくなります。
ずっと前々から、演奏の時に履く黒いテレンとした素材のパンツにあう黒い靴がほしいと思ってたのですが、普通に靴屋さんで探してもなかなか気に入ったものがありませんでした。
でも、先日、「そうだ、どうしてたまのさんに注文しようと思わなかったんだろう」と気がつき、日本に帰る前に注文しておいたのです。

たまのさんとは不思議なご縁があって6年前位に、うちのアパートから外に出る坂道で偶然知り合いました。
今住んでいるアパートはちょっと変わっていて、坂になったところに、庭付きの低層アパートがいくつかならんでいるのですが、そのひとつに、数年前まで、靴作りの小さなアトリエがありました。
昔はパリでもよくあった靴のアトリエも、今ではもうここ以外にない、という場所だったために、たまのさんはよくそのアトリエに、自分の作った靴のかかとつけなどを頼みに足を運んでいたのです。
ちょうど私のところと同い年の女の子のお母さん、ということでも共通点が見つかって、それから仲良くお付き合いするようになりました。
たまのさんは、とっても自由奔放でアーティスティックで、それなのに地にしっかり足がついていて、エネルギッシュで慈悲深くて、自伝が1~2冊書けるほどの人生を歩んできている方です。
さらに、ご自身の作られる靴にそっくりあらわれている通り、なんともチャーミングで可愛らしい人です。

そんなたまのさんが、4月19日(金)~21日(日)まで3日間限定で、表参道のギャラリーで展示会を開きます。案内状の可愛いイラストもたまのさん作です。
お時間のある方はぜひたまのさんと、たまのさんの靴に会いに、行ってみて下さい。

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# by DegorgeRie | 2013-04-13 09:11

touche the rainbow

3月3日、雛祭りの日から日本に来ています。
3月10日にチャリティーイベントに参加いたします。
場所は、中目黒商店街のつきあたりにある癒し系のロハスカフェ、レインボーバードランデヴー。
私は、フランス雑貨の販売とアコーデオン演奏で参加させていただきます。
雑貨のほうは、日本未上陸のオランダの生活雑貨ショップ「HEMA(ヘマ)」パリ店からの買付けほか、スーパーのmonoprix(モノプリ)のエコバッグ、オーガニックなお菓子やハーブティー、キッチン雑貨、文房具、などなど。「touche the rainbow」というイベントテーマに合わせたカラフルな小物を選んできました。
アコーデオン演奏のほうは、フランンス映画の曲を中心に、ノスタルジックでふわっとした曲を4~5曲演奏させていただきます。
みなさま、お友達をお誘いあわせの上、ぜひぜひ遊びに来て下さい。
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# by degorgerie | 2013-03-07 11:58

パリのアコーディオニスト Rie のオフィシャルブログ


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