Moi, l'oiseau et la clochette

Même si j'ouvre les deux bras,
je n'arriverai pas à voler dans le ciel.
Mais l'oiseau qui vole
ne pourra pas courir par terre
comme moi.

Même si je me secoue
ça ne rend pas un joli son.
Mais cette clochette qui sonne
ne connait pas beaucoup de chansons
comme moi.

La clochette, l'oiseau et moi
Tous différents et tous bons.

( Misuzu Kaneko / traduction en français : Rie )

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わたしと小鳥とすずと

わたしが両手をひろげても、
お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように
地面をはやくは走れない。

わたしがからだをゆすっても、
きれいな音はでないけど、
あの鳴るすずはわたしのように
たくさんなうたは知らないよ。

すずと、小鳥と、それからわたし
みんなちがって、みんないい。

( 金子 みすゞ )

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# by DegorgeRie | 2018-05-19 07:42

バルミュゼット東京2017

先日無事に50歳という節目の年齢を迎えました。
パリに来て15年目。
ここ数年ずっと心の中で温めておいたプロジェクト「バルミュゼット東京」が7月の開催に向けて動き出しました。

私の母が50歳になった時、家族を前に、食卓できっぱりとこう宣言しました。
「子育てがひと段落した今、長い間やりたかった事を始めたい」
私は18歳、高校を卒業したくらいの頃でした。
母はそれまで、自営業の父の仕事を手伝いながら家事をこなす、他人から見ればほぼ普通のどこにでもいる主婦でした。
それからの家での母は、家事以外の自分の時間はほとんど、床に広げた山の地図を眺めて過ごすようになり、土日を使って10年かけて日本全国に点在する百名山の山を残らず登ってしまいました。その母の心の中にあった、休火山から活火山へのスイッチの入りようと言ったら、情熱という言葉でも生ぬるいくらいの圧倒的な勢いでした。

そんな母の50歳からの人生の転換は私の心にも自然と影響を及ぼしていたらしく、1~2年前くらいから、50の年に何か新しい事をしたい、というマグマがふつふつと沸き上がってきました。
そしてある時、空の上にぽっこり「バルミュゼット東京」というアイデアが打ちあがったのです。

バルミュゼットとはミュゼット(20世紀初めにパリで花開いたアコーディオン中心のアンサンブルによる音楽)に合わせて踊るダンスパーティーのことで、フランスでは今も日常的に開かれています。私がかつて日本で恋に落ちたこのミュゼットという心搔きむしられる音楽は、本能的にダンスと密接に結びついているように感じます。
それは私がまだフランスに来る前のこと。女神山という豊かな自然に囲まれたところでみんなで焚火を囲んでいた時、アコーディオンでミュゼットを1曲弾いただけで、その場の空気の色が一瞬にして恋するピンク色に変わり、そこにいた女子全員が自然に輪になり手と手を取り合って踊り始める、という幸福な瞬間を経験したからです。
日本では、一般の人が気軽に楽しめるダンスというと、小学校で行ったフォークダンス、夏祭りで踊った盆踊りくらいで、プロや愛好家の人以外でダンスを楽しめる機会は日常的にそれほどありません。けれど、普通の大人だって音楽に合わせて手を繋いでくるくる踊る機会があってもいいですよね。吊り橋効果、なんて言葉もありますが、踊ることで感じるときめきはもしかしたら、新しい自分を発見したり、新しい恋に遭遇したり、想像もしていなかったような嬉しい出来事に一直線につながっているかもしれません。
パリの大人女子のように、日本の大人女子も気軽にパリのダンスを楽しめる空間「バルミュゼット東京」。
今後少しずつベールを脱いでいきます。どうぞお楽しみに!

Qui danse la valse?
C'est la valse qui danse!

誰がワルツを踊るんだい?
ワルツがダンスを踊るのよ!
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# by DegorgeRie | 2017-03-15 08:15

2016年の開演

新年明けましておめでとうございます。

年越しをパリの自宅でまったりと過ごす時に必ず見るテレビ番組があります。それは、「Le plus grand cabaret du monde(世界で最も素晴らしいキャバレー)」という、世界中の一流パフォーマーのショーが盛りだくさんに見られる番組。私的には、フランスにおけるNHK紅白歌合戦だと思っております。
思えば、2007年に偶然、神宮外苑の銀杏まつりでパフォーマーのロボットのぞみさんと出会ったことが、スペクタクルという非常にストイックで奥深い世界への興味を開眼させてくれました。
そして、こちらの動画は、マジック界の異端児との異名をとるフランス人のヤン・フリッシュさんが、2012年にこの番組に出演した時のもの。実際、今までに一度だけ、彼の演技を生で見られる機会があったのですが、ジャグリングとマジックと笑いの要素が絶妙に絡み合ったショーがとてもみずみずしくて、いっぺんでファンになりました。

2016年はみなさまにとって、どんな素晴らしい人生のスペクタクルを見せてくれるのでしょうか。
驚きと笑いに満ちた一年となりますように☆


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# by DegorgeRie | 2016-01-03 09:07

自由の叫び方

フランスの小学校には、詩を習う時間がある。
数日前に子どもがもらってきた新しい詩は、テロの後を意識してなのか、アルジェリアの作家であり詩人であるRachid Boudjedra(ラシッド・ブジェドラ)という人の書いた詩だった。
日本の子どもが学校で学ぶ詩は、自然や家族など身近なテーマが多いけれど、フランスで習う詩は社会的だったり、メランコリックだったりする大人っぽい詩が多いような気がする。
ヨーロッパの子どもは、小さい頃からこういう詩に触れたりしているから、精神的に大人になるのが早いのか、と思ったりもする。
複雑すぎるアルジェリアの歴史。私達の住んでいる地域は、フランス人の他に、北アフリカ系、アフリカ系、ユダヤ系などあらゆる国々の人が入り混じって暮らしている。もちろん私も移民の一人だ。植民地にされた国々の歴史とそこで暮らしてきた人達の気持ちに思いを馳せる。

Alphabétisation

À quoi servent mes poèmes
Si ma mère ne sait me lire ?
Ma mère a vingt ans
Elle ne veut plus souffrir
Ce soir elle viendra
Épeler mes lettres
Et demain elle saura
Écrire
Émancipation.

À quoi servent mes poèmes
Si mon père ne sait me lire ?
Mon père a cent ans
Il n’a pas vu la mer
Ce soir il viendra
Épeler mes lettres
Et demain il saura
Lire
Dignité.

À quoi servent mes poèmes
Si mon copain ne sait me lire ?
Mon copain n’a pas d’âge
Il a vécu dans les prisons
Ce soir il viendra
Épeler mes lettres
Et demain il saura
Crier
Liberté.

文盲教育

私の書いた詩など一体なんになると言うのだ
もし私の母がそれを読むことができなければ
母は20歳
もうこれ以上の辛抱には我慢がならない
今夜、彼女はやって来るだろう
私の手紙をやっとの思いで読むために
そして明日、彼女は習得するだろう
解放という字の書き方を

私の書いた詩など一体なんになると言うのだ
もし私の父がそれを読むことができなければ
父は100歳
海を見たことはない
今夜、彼はやって来るだろう
私の手紙をやっとの思いで読むために
そして明日、彼は習得するだろう
尊厳という字の書き方を

私の書いた詩など一体なんになると言うのだ
もし彼がそれを読むことができなければ
彼には年齢などない
檻の中で生きてきた
今夜、彼はやって来るだろう
私の手紙をやっとの思いで読むために
そして明日、彼は習得するだろう
自由という字の叫び方を

日本語訳 Rie MATSUMOTO
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# by DegorgeRie | 2015-11-26 07:53

What A Wonderful World

私の愛すべき曲のひとつ、ルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」。
この曲には個人的に特別な思い入れがあります。

2005年6月。出産から3日後、退院の日は素晴らしい快晴でした。産院の扉から一歩外に足を踏み出した瞬間の例えようのない開放感。3日ぶりに見るお日様が、咲き乱れる花々や緑が、総天然色の映画のように一気に目の中に飛び込んできたことを思い出します。
迎えに来てくれた夫の車の後部座席に、しっかと赤ん坊を抱きかかえて座りながら、車窓を流れる美しいパリの景色や色とりどりの色彩を眺めていました。すると突然、「この素晴らしき世界」の美しいオーケストラが頭の中に大音量で流れ出し、それとともに涙が溢れ、今まで味わったことのない多幸感というものに包まれたのです。そんなことから、この曲は、子どもを授かった喜びとともに今でも私の心の大切な場所にあります。

1970年、ルイ・アームストロング、通称サッチモの70歳を祝って、彼のこれまでの業績の集大成として1枚のアルバムが収録されることになりました。その時に集まった大勢の後輩たちを前にして、サッチモは「この素晴らしき世界」のイントロで突然こんなスピーチを始めたのです。

君達若い連中の中にはオレにこう言ってくる者もいる
オヤジさん、"素晴らしき世界"ってどういう意味なんだい?
世界中で起こっている戦争も素晴らしいのかい?
飢餓や汚染はどこが素晴らしいんだい?

だけど、このオヤジの言うことも聞いてみないかい
オレには、世界はそんなに悪くない、と思えるんだ
オレが言いたいのはね 
世界は素晴らしくなる、そう思って行動すればってこと 

愛だよ、愛。それが秘訣さ
もっともっとオレ達が愛し合えば問題も減るし
世界はとびきりいいところになるんだ
それがこのオヤジのずっと言っていることなんだ

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木々は緑に輝き赤いバラは美しく どれも私たちのために 咲いている
そしてふと思う なんて世界は素晴らしいんだ

どこまでも青い空と真っ白な雲 光りあふれる日と聖なる夜
そしてふと思う なんて世界は素晴らしいんだ

七色の虹は美しく輝き 行きかう人々の顔も輝いている
友だちが手を取り合い 挨拶をかわし 「愛してる」と言っている

赤ん坊は泣き やがて育っていく きっとたくさんの事を学びながら
そしてふと思う なんて世界は素晴らしいんだ

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悲しい事、辛い事が起こる世の中であっても、明るい未来を信じていきたい。
今生きていられていることのありがたさを思い、家族とともにあたたかい食卓が囲める普通のことが、一番の幸せだということを噛みしめよう。
そして私に与えられた生をできる限り全うしよう。



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# by DegorgeRie | 2015-11-18 19:18