2015年 11月 26日 ( 1 )

自由の叫び方

フランスの小学校には、詩を習う時間がある。
数日前に子どもがもらってきた新しい詩は、テロの後を意識してなのか、アルジェリアの作家であり詩人であるRachid Boudjedra(ラシッド・ブジェドラ)という人の書いた詩だった。
日本の子どもが学校で学ぶ詩は、自然や家族など身近なテーマが多いけれど、フランスで習う詩は社会的だったり、メランコリックだったりする大人っぽい詩が多いような気がする。
ヨーロッパの子どもは、小さい頃からこういう詩に触れたりしているから、精神的に大人になるのが早いのか、と思ったりもする。
複雑すぎるアルジェリアの歴史。私達の住んでいる地域は、フランス人の他に、北アフリカ系、アフリカ系、ユダヤ系などあらゆる国々の人が入り混じって暮らしている。もちろん私も移民の一人だ。植民地にされた国々の歴史とそこで暮らしてきた人達の気持ちに思いを馳せる。

Alphabétisation

À quoi servent mes poèmes
Si ma mère ne sait me lire ?
Ma mère a vingt ans
Elle ne veut plus souffrir
Ce soir elle viendra
Épeler mes lettres
Et demain elle saura
Écrire
Émancipation.

À quoi servent mes poèmes
Si mon père ne sait me lire ?
Mon père a cent ans
Il n’a pas vu la mer
Ce soir il viendra
Épeler mes lettres
Et demain il saura
Lire
Dignité.

À quoi servent mes poèmes
Si mon copain ne sait me lire ?
Mon copain n’a pas d’âge
Il a vécu dans les prisons
Ce soir il viendra
Épeler mes lettres
Et demain il saura
Crier
Liberté.

文盲教育

私の書いた詩など一体なんになると言うのだ
もし私の母がそれを読むことができなければ
母は20歳
もうこれ以上の辛抱には我慢がならない
今夜、彼女はやって来るだろう
私の手紙をやっとの思いで読むために
そして明日、彼女は習得するだろう
解放という字の書き方を

私の書いた詩など一体なんになると言うのだ
もし私の父がそれを読むことができなければ
父は100歳
海を見たことはない
今夜、彼はやって来るだろう
私の手紙をやっとの思いで読むために
そして明日、彼は習得するだろう
尊厳という字の書き方を

私の書いた詩など一体なんになると言うのだ
もし彼がそれを読むことができなければ
彼には年齢などない
檻の中で生きてきた
今夜、彼はやって来るだろう
私の手紙をやっとの思いで読むために
そして明日、彼は習得するだろう
自由という字の叫び方を

日本語訳 Rie MATSUMOTO
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by DegorgeRie | 2015-11-26 07:53 | Comments(2)

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