2年ぶりのレッスン

昨日は家でアコーデオンの出張レッスンを受けた。レッスンを受けるのは2年ぶりだったし、先生も初めて習う人だったので前日からドキドキだった。
随分前から新しい先生を探していたのだけど、自分が好きな奏者はお年寄りだったり、演奏に忙しかったりと、レッスンをしてくれるケースは珍しい。
考えているうち、ふと、ある女性のアコーデオニストに頼んでみようと思い立った。
彼女の名前はヴィヴィアンヌ。3人の子供を育てながら(1人は赤ちゃん)、maM(マム)というグループで音楽活動をしている人だ。
ヴァイオリニストと組んで活動している彼女の音楽は、決して派手ではないけれど、温かく心に沁みるものがあって、何年か前に出会った時からとても好きだった。ジャンル的には、ミュゼットやジャズ、さまざまな国の伝統音楽をたくみにミックスして、オリジナル曲も精力的に作っている。私が以前習っていた先生を自分達のグループにゲストに招いたりしている関係で、私は何度か彼女に会っているので、彼女なら頼めるかもしれない。
でも問題は彼女はパリに住んでいないこと。それに赤ちゃんもいることだし、相当忙しい日々を送っているだろうと思う。
でもあれこれ考えてもしょうがない。まずはダメもとで一度メールで相談してみようと思った。すぐに返って来た彼女の返事は「パリには頻繁に行くから時々でよかったらレッスンOKよ。やってみましょう」そして最初に出したメールから1週間も立たないうちにレッスンを受けることになった。

妊娠、出産、育児でしばらく休んでいたアコーデオンを再開したのは何ヶ月か前。再開してすぐに、自分がまるで長い間使われずに物置に放置されていた古びた機械のように感じた。指がなめらかに動かない。操作がぎこちない。まるで、油が切れてキィキィ音を立てているかのよう。
これはレッスンを受けなければ、と切実に思った。ウォーミングアップ、そしてモチベーションアップのためにも。

ヴィヴィアンヌが楽譜がパンパンに詰まった古い皮鞄を抱えてやって来てくれた。鞄の縫い目の3分の1ほどがほつれてぱかっと開いているため、中の楽譜がこぼれそうになっている。
お互いに貴重な時間をやりくりしているため、挨拶や近況報告もほどほどに早速レッスン開始。ジャズのインプロの練習方法、伴奏のリズムの取り方など、私が知りたいと思っていたコツを惜しみなく伝授してくれる。彼女の音楽に対する姿勢にも、彼女の誠実さ、真面目さがにじみ出ているけれど、教え方もやっぱり同じで、安心感がある。
音楽だけではなく、女性としても可愛らしく、憧れてしまう。
約束の2時間があっという間に過ぎ、時計を見て驚いた彼女は、軽くパニック状態のまま「大変!次のランデヴーに遅れちゃうー。7区のグルネル通りってどこかしら」と慌しく中庭を駆けて行った。ふと見ると、部屋に、貴重な楽譜がいっぱい詰まった例の壊れた皮鞄がそっくり残されている。「鞄忘れてるー」と慌てて声をかけるとまたバタバタ走って戻ってきて、またメールでやり取りしようねー、と笑顔を残しながら、走り去って行った。
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by DegorgeRie | 2006-10-10 08:39

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