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22年の時を経てついに劇場公開

昨日、初めて入ってみた近所の公園で、英仏家庭の男の子2人と彼らのお母さん(イギリス人)にたまたま出会った。
オクターヴ(うちの子供)が、自分と同じくらいの身長の次男に興味を示して、いきなりガシッと抱きついたために、3人に急接近することになったのだ。
そのイギリス人女性は、オクターヴの履いている靴(幼馴染のMakiちゃんがプレゼントしてくれた)に注目して、「とてもいい靴ね」とほめてくれた。私が、「日本製です」と言うと、「あなた日本人なの?」とちょっと驚いた表情になった。
実は、上の男の子(4歳位?)が、日本が大好きで、日本語を勉強したいと言っているほどなのだそう。どうしてそんなに日本が好きなのか聞いてみると、「多分、TOTOROを見たせいだ」と言う。
TOTORO!「となりのトトロ」ならジブリ作品の中で、私がベスト1にあげる大好きな映画。英仏ハーフの君にもあの映画の良さがわかるのか、と急激に親近感が湧く。
お母さんは、その男の子に、「本当の日本語に触れる良い機会よ」と言って、日本語を教えてもらうように彼を促す。何か日本語の言葉を言って、と言われたので、まずは「こんにちは」を教えてあげる。「KONNICHIWA」とてもキレイな発音。トレトレビヤン!(とっても上手!)とほめてあげる。
すると、気をよくしたのか、今度は思い浮かぶものを片っ端から、家はなんていうの?シーソーは?すべり台は?暖炉は?(暖炉なんて言葉が出てくるあたり、いかにもブルジョワ家庭のお坊ちゃまだわ)と聞いてくる。
そして最後に「トトロは存在するの?」と私の目をじっと見つめて聞いてきた。ちょっと迷ったけれどすぐに「うん、いるよ」と答えた。彼がそう言って欲しいと願っているのがわかったし、私自身もそう信じたいという思いから。するとすぐそばで、彼のお母さんが「本当はいないのよ」と小さな声でつぶやいた。

22年の時を経てついに劇場公開_c0085370_7501223.jpgさて、今日8月23日からパリで「風の谷のナウシカ」の劇場公開が始まった。日本での初公開は22年前だというから、日本からフランスに来るまでの間にちょうど、1人の赤ちゃんがオギャーと生まれて大学に行って就職するまでの時間がかかったというわけである。
こちらでも大人気のスタジオジブリ映画。最近の作品(多分もののけ姫くらいからだと思う)はタイムリーに公開されているけれど、過去の作品に関しては2003年初めにラピュタが公開されて、その後、トトロ、魔女の宅急便、猫の恩返し、となりの山田くん(この日本人的笑いをフランス人はどう受け止めるのか興味津々ですが)、などが順々に公開されている。
なぜこれらの作品が公開されて、初期の長編大作であるナウシカが公開されないんだろう、とずーっと疑問に思っていたので、先日、この広告をお尻につけたバスを見かけた時に、「ついに!」という思いだった。もしかしたら、徳間書店は、映画を興行的に成功させるために、大手の配給会社が契約してくれるのをずっと待っていたのかもしれない。

公園で出会った男の子のように、日本のMANGAやアニメがきっかけで、日本に興味を持ったというフランス人の子供、または大人を私は何人か知っている。この国で知り合いがそんなに多くはない私でさえ、何人も知っているのだから、実際には相当数になるだろう。この作品の公開も間違えなくまたプチ日本ブームの手助けになるのだろうな。
by DegorgeRie | 2006-08-23 23:48

パリのアコーディオニスト Rie のオフィシャルブログ


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